会話トレーニングで誰でも話せるようになります。 障害は会話できない理由ではありません。【vol.4】

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「ノリくん」のお母さんは、よほど思いつめていました。どこへ言ってもできない説明ばかりで我が子を信じる気持ちも揺らぎ初めていました。私は、初めて相談を受けた時「思いつめて療育してもできません。」とはっきり言いました。「じゃあどうすればいいのですか?」と聞かれたので、お子さんの療育は「適当に」「いい加減にすることです。」と言いました。

一瞬きょとんとしていましたが、その意味はお子さんを育てるのに≪将来の成長を心から信じていなければ、必死になるでしょう≫そして、何か≪効果があると聞けば≫必要以上にやりすぎるでしょう。
だから子育ては「その子に適した方法でポイントをハッキリ掴んで行うので適当が丁度良いのです。そして育てる加減をしっかりと見極めながらより良い加減にすることだ」と言ったのです。問題は全て結果で、やりすぎは逆効果になり、出来るものもできなくなる場合があることを理解してください。

「北風と太陽」の逸話がありますが、旅人のコートを脱がすのに北風の方法では脱がされまい、吹き飛ばされまいとしっかりコートを握り締め、結局、太陽の暖かい空気が旅人にコートを自然に脱がせる結果となったのです。

太陽の様に自然体で力まず、普段のままの方法で行い。各自な効果を気長に得ていく。これが「適当に」「いい加減にする」極意です。

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